【読書】地域情報化(認識と設計)
なかなか参考になる本だった。自分の頭が、少し整理出来たかな。。
以下、気になったフレーズをメモ。。
◆「対話の共同体」と「想像の共同体」(p9)
・ネーションは、それ以前の共同体のように、成員同士の直接的なコミュニケーションに還元できる「対話の共同体」ではなく、国民がイメージ=物語を共有する「想像の共同体」。
・地域メディアなどが、共同体を作る契機に。
・地域が地域メディアを持ち続けることが、地域に過去や歴史を生み出す契機になる。
・現在の多くの地域は、地域自身を再想像できず、「現在の姿」だけ。
◆匿名性の概念(p24)
・匿名性の概念として「表現の匿名性」と「存在の匿名性」。
→表現の匿名性:表現行為を行う責任者の名前を隠したい時に必要な匿名性。
→存在の匿名性:自分の意志とは関係なく勝手に名前が奪われることを防ぐために必要となる匿名性。
(詳細はこちら→http://www.hajou.org/infoliberalism/9.html)
◆補完性の原理(p57)
・政策決定は、その影響を受ける市民やコミュニティに、より近いレベルで行われるべきとする原則。
◆地域アイデンティティ(p89)
・日本では、人々に「まとまり」を要求する範囲の設定が広すぎる。
・ヨーロッパにおいて「地域」と名指される領域が、近代国家成立以前の州や小王国に等しい
・伝統的に人々が連帯するべき「地域」というものが、長い時間を通じて現在まで続いているが故に、「これが地域だ」という意識が自明になる。
◆物語による地域の創造(p95)
・地域が自らの情報を発信すると言うことの意義は、「物語」の位相を地域の側からコントロールするおちうこと。「地域の物語」を創造し、発信する手段を手に入れることになる。
・特別な要素がまちの中に存在しているから、人々がイメージを抱けるということではなく、その逆に、人々がコミュニケーションによって、その街に特別な要素を見いだしていく。
◆地域メディアに出来ること
・地域メディアは「フィクショナルなもの」でも、実体に影響を及ぼし、その実体さえも変えうる。
・「谷根千」というミニコミ誌によって、集客などの対外的イメージだけではなく、対内的にも地域住民のアイデンティティを確立。(p95の話と同じかな?)